心の病気として代表されるものに、うつ病があります。うつ病は気分が落ち込み、何をやっても楽しく感じなくなる病気です。そのほかにも様々な症状が現れ、身体にも不調が現れます。うつ病になった患者を看護師がケアする場合、どのようなことが大切になってくるのでしょうか。まずは服用を確実に行ってもらうための薬の重要性や、服用による副作用などを説明して理解してもらうことが重要です。また、うつ病は治療が長期化する場合が多いので、治る病気であることや治療が一進一退であることを何度も説明しましょう。しかし、励ましの言葉は逆効果なことも多く、自信を喪失させたり、苦痛を与えたりしてしまうこともあるので口にするのは厳禁です。
さらに、患者の話をよく聴いて受け入れること、理解に努め共感することが信頼関係を築くうえで重要で、ちょっとした変化に気付くきっかけにもなります。定期的な関わりを持ち続け、毎日の変化に対応できるようにしましょう。入院が必要になった場合にもその必要性を説明し、患者本人がその必要性に理解できているかを傾聴します。不眠などには気がまぎれるような生活環境に配慮したり、眠剤の説明をしたうえで服用させます。このように、ケアするにあたり患者の訴えによく耳を傾け共感すること、説明して理解を得ること、患者の自尊心を傷つけないことが大切です。また、軽度のうつ状態や急性期には自殺企図が多いため、安全への配慮が求められます。